# grin - ビルド、設定、動作確認

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## 動作環境

grinのプログラミング言語である`rust`はほぼ全ての環境に対応している。

現在の動作環境

* Linux x86\_64とmacOS [grin、マイニング、開発]
* Windows 10は未対応 [一部のビルドはできるがマイニングがまだ。助けを募集中!]

## 要件

* rust 1.34+ ([rustup]((https://www.rustup.rs/))を使えば`curl https://sh.rustup.rs -sSf | sh; source $HOME/.cargo/env`でインストール可)
  * rustをインストール済みの場合は`rustup update`を実行
* clang
* ncursesとそのライブラリ (ncurses, ncursesw5)
* zlibとそのライブラリ (zlib1g-dev または zlib-devel)
* pkg-config
* libssl-dev
* linux-headers (Alpine linuxでは必要)
* llvm

Debianベースのディストリビューション(Debian、Ubuntu、Mintなど)ではrustを除き1コマンドでインストールできる:

```sh
apt install build-essential cmake git libgit2-dev clang libncurses5-dev libncursesw5-dev zlib1g-dev pkg-config libssl-dev llvm
```

Mac:

```sh
xcode-select --install
brew install --with-toolchain llvm
brew install pkg-config
brew install openssl
```

## ビルド手順

```sh
git clone https://github.com/mimblewimble/grin.git
cd grin
cargo build --release
```

grinはデバッグモードでもビルド可能(`--release`を付けない状態で、`--debug`か`--verbose`を付ける)。
しかし暗号の計算のオーバーヘッドが大きく、高速同期が著しく遅くなる。

## ビルドエラー

[Troubleshooting](https://github.com/mimblewimble/docs/wiki/Troubleshooting)

## 何がビルドされるか

ビルドの成果物

* `target/release/grin` - grinの実行ファイル

grinのデータ、設定ファイル、ログファイルはデフォルトでは(ホームディレクトリ配下の)`~/.grin`のディレクトリに格納されている。
全ての設定値は`~/.grin/main/grin-server.toml`を編集することで変更可能。

データファイルをカレントディレクトリに出力することも可能。
そのためには以下のコマンドを実行。

```sh
grin server config
```

カレントディレクトリに`grin-server.toml`がある場合、カレントディレクトリにデータが出力される。
grinを`grin-server.toml`を含むディレクトリで起動する場合、デフォルトである`~/.grin/main/grin-server.toml`よりも優先される。

テスト中はgrinのバイナリにpathを通す:

```sh
export PATH=`pwd`/target/release:$PATH
```

ただし、grinをインストールしたルートディレクトリから実行することを想定している。

これにより`grin`が直接実行可能になる(オプションは`grin help`で調べられる)。

## 設定

grinは気の利いたデフォルト設定で起動するようになっており、さらに`grin-server.toml`のファイルを通じて設定可能。
このファイルはgrinの初回起動で作成され、利用可能なオプションに関するドキュメントを含んでいる。

`grin-server.toml`を通じて設定することが推奨されるが、全ての設定はコマンドラインで上書きすることも可能。

コマンドライン関連のヘルプについてはこちらを実行:

```sh
grin help
grin wallet --help
grin client --help
```

## Docker

```sh
docker build -t grin -f etc/Dockerfile .
```
floonetを使用する場合、代わりに`etc/Dockerfile.floonet`を指定。

コンテナ内で実行する場合、grinのキャッシュをバインドマウントすることも可能。

```sh
docker run -it -d -v $HOME/.grin:/root/.grin grin
```
dockerの名前付きボリュームを使用する場合、代わりに`-v dotgrin:/root/.grin`を指定。
ボリュームが作成される前に、名前付きボリュームがコピーされる。

## クロスプラットフォームビルド

rust(cargo)はあらゆるプラットフォームでビルド可能なので、`grin`をバリデーションノードとして省電力なデバイスで実行することも可能である。
x86のLinux上で`grin`をクロスコンパイルしARMバイナリを作成し、Raspberry Piで実行することも可能。

## grinの使用

機能やトラブルシューティングなどに関するより多くの情報については[Wallet User Guide](https://github.com/mimblewimble/docs/wiki/Wallet-User-Guide)。


## grinのマイニング

grinのマイニングに関する全ての機能は[grin-miner](https://github.com/mimblewimble/grin-miner)と呼ばれるスタンドアローンなパッケージに分離されていることに注意。

grin-minerをgrinノードと通信させるためには、`grin-server.toml`の設定ファイルで`enable_stratum_server = true`と設定し、ウォレットリスナーを起動(`grin wallet listen`)しておく必要がある。